【読書】『下流志向』
先日、内田樹氏の著書『下流志向』を読みました。
この本の中で、第二章に『リスク』に関する考察が書かれています。 まず、リスクについて「リスクをテイクする」と「リスクをヘッジする」との違いについて書かれています。
「リスクをテイクする」とは、不確定な冒険的な計画を実行するということで、成功した場合、多くの利益をもたらすことになります。
逆に「リスクをヘッジする」とは、丁半博打で両方にかけるように損失を最小限にするということです。
著者は、「結論の先送り」「両論併記」「三方一両損」なども「リスクをヘッジする」ということで、日本的な問題解決のソリューションであると言っています。
ビジネス(会社)では、「リスクをヘッジする」ばかりでは成果が上がりません。倒産しないことが目標の会社はないわけなので、リスクの大小はあっても「リスクをテイク」する必要があるわけです。いわゆる市場原理主義で考えれば「成長」か「没落」かに分かれるので「成長」を目標とする企業としては当然です。
著者はここで、こういったビジネス的な考え方が、人間に対しても浸透していることを危惧しています。
いわゆる「自己決定・自己責任論」です。自己決定とは、自分一人で決定し、その結果の責任も自分にあることです。自己決定する人は、先に書いた「リスクをヘッジ」することができないということになります。決定するので「結論の先送り」はないですし、一人ですから「両論併記」「三方一両損」も不可能です。世の中のイデオロギーが「自己決定・自己責任論」を賛美している現代の社会は、「リスクをヘッジする」のが難しい社会になっているという内容です。(詳細な内容に興味があれば読んでみて下さい)
この章を読んでいた時に、自分にとって凄く大事な事が書かれているような感じを覚えました。
まだ、自分でもうまく整理できていないのですが・・・
元々、物事の白黒をハッキリさせたい性格だったのですが、それ以上に「自分で決定すること」を焦っていたように思います。というか、「自己決定」しなくて良いことまで「自己決定」しようとしていたと言った方が良いかも知れません。「自己決定・自己責任論」に追従して空回りしていたということでしょうか。
今読んでいる、タッド・バッジ氏の著書『仕事も人生も4つのボールでうまくいく』では、下記の内容が書かれています。
公私のバランスをとる(天秤のイメージ)ではなく、「自分」「人間関係」「仕事」「社会」の4つのボールをジャグリングして落とさないようにすることが肝要であると書かれています。
この「4つのボールのジャグリング」と「リスクをヘッジ」する考え方に共通するものがあるように思います。そして、その部分が自分にとっては足りない部分なのかなぁ・・・と直感的に感じています。
人としてある一面で上だけを見る(向上し続けようと思う)のではなく、時には現状維持で満足し全体を見渡して全体バランスを修正することも必要ってことですね。自分にとって、今までと違った視点を与えるキッカケになってくれそうな2冊になりました。
これも昨日、ブックオフへ行ったおかげですね。。。
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コメント
おはようございます。
とりあえず、全開が信条なもので、
先行息切れタイプです。
「今」に集中。いいじゃないですか。
今が無ければ未来も無い。
そう考えれば、これが一番正しいですね。
私も足元に注意しますね。
ブログを以下に移動します。突然で済みません。
http://utsunaoru.blog50.fc2.com/
今後ともよろしくお願いします。
投稿: かつくん | 2008年6月26日 (木) 08時51分
かつくんさん、コメントありがとうございます。
全開が信条・・・私も好きです、そういう感じ。
今は手綱を抑えていますが、いつかまた全開でといきたいなぁと思っています。
その為にも、無理せず、着実に一歩づつですね!
ブログの移動の件、了解です。
また、見に行きますね。
ではっ<(_ _)>
投稿: 日日是好日 | 2008年6月27日 (金) 09時55分